|
|
|
台湾2 |
(2019.5.28) |
|
台湾は日本と同じように四方海に囲まれている島国なので、釣りもできるだろうと以前から期待していた。海辺に行くと、確かに釣りをやっている人々がいる。しかし近づいて釣果を確かめると、小魚や針千本程度である。 一方、日本には無いとても面白い〔釣蝦場(海老釣り堀)〕がある。工場か倉庫のような素朴で広い建物の中に、二つほどの10メートル四方のプールがある。水深1.5メートルでかなり浅いけれど、水が濁っていて底は見えない。プールの中には手長蝦が数十匹いる(台湾ではタイ国蝦と呼ばれ、輸入品であるらしい)。この蝦を狙っている釣り人達は、プールの周りに2メートル間隔で座っている。竿も仕掛けもかなり簡単で、小さな針に1センチ位の小さな蝦かチキンの生レバーを細く切って付ける。浮きがあって、それを調整して餌がギリギリプールの底にあるようにして当たりを待つ。イメージとして、蝦は餌を長い手で捕まえて少し自分の方へ引っ張る。魚の餌釣りなら、魚は手が無いので口で餌を吸い込んですぐ食べてしまう。だから浮きも大きく動くので、それを見たらすぐに合わせる(竿を鋭く上へ動かす)べき。
しかし、蝦釣りでは早合わせが禁物だ!蝦の手が硬く、針掛かりしない。浮きがほんの僅かでも動いてから、やり取りが始まる。竿をちょっとだけ動かして、蝦を刺激する。蝦は逃げようと思うのか、餌を針と共に自分の方へ引っ張る。このやり取りを繰り返しながら、蝦が餌を口に運ぶのを待つ。その時に巧く合わせると、割と高い確率で針は柔らかい口に掛かってしまう。コツを掴むと3、4匹を連続して釣り上げることもある。その前は蝦に何回も逃げられ、もうダメだと感じたこともある。やはり修行は大切だ! 僕は外国から台湾にやって来て蝦釣りの経験が少ないハンディを覆そうと、マスター級の人に声を掛け、弟子入りした。餌の付け方や誘いの仕方まで教えてもらった。結局2時間頑張って、つ抜け(8つ、9つを越えて10匹以上釣り上げること)ができた。因みにマスターは同じ時間で倍以上釣った! 一方、1時間で1、2匹しか釣れない人もかなりいた。
因みに、台湾でも釣りに全く関心がない人が多い。僕を招待してくれた李さんもその一人。だから僕が釣りをしている間、彼は一旦家に戻った。そして2時間後に奥さん同伴で現れた。と言うのも、〔釣蝦場〕の大きな魅力の一つが、釣った蝦をそこで料理できることである。しかもチャーハンや中華風焼き麺など庶民的な料理を注文して、テーブルに座って楽しく頂くことも可能である。普段は全く料理しないけれど、釣りのマスターを真似しながら蝦の串焼きを作るのも楽しかった。 マスターは自分の奥さんと友達と、僕は李夫妻と別々のテーブルで食べたが、帰宅の際もう一度マスターの手を握りながら感謝した。
|
|